ワンドⅦ/守るもの、攻めてくるもの

2020年09月28日

概要

このカードの人物は戦いの最中におり、攻撃を必死に防御している男性が描かれています。伝統的な解釈においては、この絵柄通り「攻めに対する守り」を表わし、プレッシャーやストレス、交渉や争いにおいて不利な状況にいることを教えてくれています。まさにワンドⅥの一時的勝利の優位性が失われ、今や防戦一方となった時間の流れを表わしています。立場を守るために戦う、かつてはあったもののために戦う、そんな意味を含むカードです。
しかし、このカードが象徴するのは「戦う価値のある争い」だけではありません。その多くは無用なトラブルであり、抱える必要のないストレス、望まないプレッシャーです。もし、あなた自身がこの葛藤の中にいるのであれば、この中で足掻くことに本当に価値があるのかを問いかけてみるべきでしょう。あなたがこの問題にたくさんの時間やエネルギーを注ぎ込んでいるのであれば、状況から身を引くことに抵抗感を覚えるでしょう。しかし、この抵抗感こそが、このカードが象徴する心の動きなのかもしれません。

リーディングのポイント

このカードは心理的な抵抗感や葛藤、守るべきものとプライドを暗示するカードです。今の立場や優位性を守るために抵抗しており、余裕のない状態を表しています。絵柄通り「下から攻められる」ことを意味するため、後輩や部下、子どもや目下の人のトラブルに注意しておく必要があります。正位置では現在はまだ優位な状態にいますが、周りに味方はなく、一人で立ち向かわなければならないことを教えてくれています。また、恋愛においては「誘われる・アプローチを受ける」といった意味を持つカードです。
逆位置でも意味は大きく変わりませんが、その摩擦の度合いは大きくなりそうです。正位置では守り切れるものが、逆位置では守り切れなくなる事態を教えてくれるカードです。

HEXAGRAM展開時における意味

①過去・原因
周囲の理解が得られずに孤軍奮闘してきたことが窺える。少しでも自分が優位に立とうと必死だったが、今はそれが叶わずに心理的に追い詰められている、余裕がなく、焦っていることが原因。有利な状況を活かせなかったことがこの問題の原因であることを告げている。また、頼る人がいない、SOSを出せない、甘えられないという状態が垣間見える。上の立場にいるが、下の立場より妨害を受けていたことが窺える。
逆位置の場合、いじめや孤独に耐えてきた過去を暗示。誰も頼ることが出来ない、と他者を信頼できない心を表わしている。

②願望
譲れない強い信念を持っている。こだわりがあり良くも悪くも自己主張が強い状態。「自分の考えは正しい」という頑固さが見え、攻撃的または臨戦態勢になっている。有利な状態だが気は抜けない。
逆位置の場合において暗示しているのは「そもそも自分が何を守りたくて戦っているのかよくわかっていない」ということ。ただ意地になっているだけの可能性も。

③相手
仕事においてはトラブルに立ち向かい他のことを考える余裕がない。誰にも相談できない悩みに抗っている。恋愛においては、日常生活に疲れていて恋愛を進めていける余裕がない状態を表わしている。
逆位置においても、課題やトラブルで余裕がなく、現在のところそれ以外のことを考える余裕がないことを暗示している。心身ともにかなりの疲労が窺える。

④現状
味方がいない状態でも問題に立ち向かうことを暗示する。自分の立場を守るために努力している姿が見える。下からトラブルはあるが、あなたの有利は変わらない。恋愛でいえば、押すと引かれ、引くとおしてくる状態となる。
逆位置になると、状況は徐々に悪化していく。自分の位置は危うくなる恐れ。トラブルに巻き込まれ、立場の下の人間から妨害があるという暗示。

⑤未来
トラブルはあるが今の立場を守ることはできる。あなたの意見・意志は通り、物事はコントロールできる。
逆位置では争いが長引き、あなたの有利さは失われる。調停や裁判においては立場が悪くなっていく暗示。妨害を受け、その対処に多くのエネルギーを使ってしまう恐れを暗示する。

⑥結果
問題が持ち上がり、人間関係において摩擦が生じる。有利な状況ではあるが、下から厳しく追及され余裕のない状態に陥ることになる。しかし、自分の立場や利益は守り通すことができる。
逆位置の場合、これらの困難に味方がいない状態で立ち向かうことになる。余裕はすでに失われ、頼れるものが何もない状態である。それでも抵抗を強めるならば、敗北も時間の問題である。

⑦対処
ひとりで抵抗する姿を暗示するカードであるため、今の状況を打破するためには周囲の人に助けを求めるべき。トラブルはあなたより下の立場から持ち上がることが多いため、普段から意識して小さなところまで目を光らせておくことで、問題を未然に防ぐことができる。また、相手の強硬な姿勢にひるむことなく、毅然とした対応を取り続けることの大切さを教えてくれている。このカードは逆位置でも意味は変わらない。

TRIANGLE展開時における意味

今抱える課題・問題
人間関係の摩擦やトラブル、心理的な葛藤を表わしている。後輩や部下、年下の人、家族問題では特に子どもに関するトラブルを抱えていることが多い。立場や利益などを守ることに精一杯で余裕がない状態であり、精神的にも疲弊している。
逆位置で出た場合は、正位置の状態がより深刻になることを意味する。相談できる味方や頼れる人が周囲にいない、または相談できないトラブルを抱えている。

結果
正位置ではトラブルや問題に対して、自分の立場や利益、主張は守り通すことが出来る。しかし、元々あったものを現状維持で守り切ることができる意味であるため、多くを得ることはまれである。恋愛では年下や後輩からアプローチや誘いを受けることを暗示している。
逆位置では、必死に抵抗するも自分の利益や立場、主張などは守りきることができない。

Two Oracle展開時における意味

基本的にはトラブルや摩擦に対して、必死に自分の立場や利益を守ろうとするカードである。そのトラブルは自分よりも下の立場からやってくることを暗示している。正位置においては、頑として抵抗することで現状を維持しすることはできる。ただし、逆位置においては自分の居場所が危なくなるため、どこかで引き際を考えておく必要がある。恋愛でこのカードが出た場合、年下からアプローチを受けることを暗示することが多い。恋人を探している場合、「折れない心」が必要であると教えている。このカードは攻めるよりも守ることを意味するが、恋人を得たい場合は強引さよりも時間をかけて徐々に距離をつめることを意識したほうがうまくいくだろう。
※Two Oracleにおける対処・アドバイスはHEXAGRAM【⑦対処】を参照。

One Oracleでの吉凶判断

【YES or NO】
YES☆☆
※最高がYES☆5つ、最低はNOで★が5つ

【来る or 来ない】
疲れているが来る

【買う or 買わない】
手放すことが難しくなる、最終的に処分に困る

【今の状態】
余裕がない、ガードが堅い、心理的な距離を感じる

【どう思われているか】
自分より上の立場、ガードの堅い人、忙しく余裕のない人、押せば押すほど引いていく人、頑固でこだわりが強い。

【適職】
伝統や上下関係を重んじる職場、メンテナンスや保守関係、インフラや公共事業。ある分野においてシェア率の高い会社。