ワンドⅧ/意思の及ばぬ変化

2020年10月07日

概要

広々とした土地を8本のワンドが飛行する絵柄が表すのは「変化と動き」です。伝統的な解釈では「ものごとはすでに進行中である」とされ、停滞していたものが動き出し、その成り行きを私たちは見つめ、祈ることしかできない状態を示唆しています。原則的に人物の描かれていないカードは、人間の意志の力が及ばない「時間の流れ」「運不運」を表わすカードです。このワンドの8は過去、現在、未来の時の流れ、そこでの行為における結果が自らに向けて飛んでくることを表わすとされ、すべての行いが回りまわって跳ね返ってくる「因果応報」の意味合いも含んでいます。しかし、ウェイトは「喜ばしい出来事が保持されている」と述べていることから、凡そ肯定的な結果を暗示していると考えるべきでしょう。

リーディングのポイント

人物の描かれないカードのひとつで、本人の意思が及ばない変化や動きを表わすカードです。思いもよらない変化や展開を表わし、正位置ではそれがポジティブに、逆位置ではネガティブに傾きやすいことが読み取れます。ポジションによっては純粋に「時間の流れ」を示唆することもあり、変化するのか、時間の動きなのかを見極めることが重要です。
このカードは正位置、逆位置で大きな意味の違いはありません。ただ、変化を前にしたときに正位置ではポジティブに、逆位置ではネガティブな方向へ流されることを示唆しています。ただ、注意しておきたいのは、このカードの特性が「動いている最中」を表わしているということにあります。未来や結果においての変化は、ゴールではなく途上のものであり、結果ではなく過程であることを読み取ることが大切です。大アルカナ「世界」が長い旅のゴールだとすれば、このカードはその途上で見る様々な景色のひとつといえるでしょう。このカードが結果に出た場合、結論をすぐに焦らなくてもよいと心に留めましょう。

HEXAGRAM展開時における意味

①過去・原因
本人たちの意思とは関係のないところで事態が急展開していることを暗示しており、それが原因となって問題が生じている。その変化に素早く対応できなかったために、混乱が生じている。環境の変化や組織の変化、転勤などにおける問題。また、過去の行為における結果が招いたトラブルであることも示唆している。正逆における意味は変わらない。

②願望
今の環境や状況を変えたいと願っている。しかし、本人の力ではこの変化を起こすことが難しいため、他人任せになっていることが窺える。転勤や異動、転職を希望する、結婚や離婚など環境を変えたいという願望を表わしている。
逆位置になると、この願いはさらに切実なものになる。ここから早く逃げだしたいという気持ちが更に強くなるが、自らの力や選択では動くことが叶わない状況であることも示唆している。

③相手
現在の環境・状況の変化を望んでいることが窺える。しかし、自分から動くことのできない状況であり、力の及ばない出来事に混乱していることが窺える。転勤や転職、異動や引っ越しといった「移動」を伴うアクションを望んでいる。
逆位置では②「自分の願望」同様、切羽詰まったものになる。自分ではどうしようもない事態から逃げ出したいが、他力本願にならざるを得ない状況を暗示する。

④現状
事態が急展開する兆し。物事が思わぬ方向へと動いていくことになり、それをコントロールすることは難しいことを教えている。正位置の場合、それは好転に向かうことが多い。
逆位置の場合ではそれがネガティブな事柄になることが多い。自分ではどうすることもできない変化の訪れに柔軟な対応を迫られることになる。

⑤未来
環境は大きく変わり、今現在とは異なった様相になることを暗示。ポジティブな変化、結婚や栄転、引っ越しなどにより大きく景色は変わる。ただ、そこはゴールではなく、道の途中であることを忘れてはならない。
逆位置では望んでいない方向への急展開を表わす。自分の力では及ばない流れや変化に役割やポジションは変化が、正位置同様に「ここがゴールではない」ということをカードは教えている。

⑥結果
状況・環境は大きく変わり、今とは違う景色を見ることを暗示。その変化は自らコントロールすることは難しいが、良い方向に流れることとなる。予想をしていなかった急展開が待ち受け、その流れに乗ることでポジティブな状況にたどり着くことができる。また、トラブルや心の痛みなどの問題に関しては「時の流れが解決する」ことを暗示。
逆位置も正位置同様であるが、変化の先がネガティブなことや現状望んでいない変化であることが多い。ただし、この変化も過程であり結果ではない。

⑦対処
物事の変化に躊躇してはいけない。良くも悪くも流れに逆らわず柔軟に対応することがポジティブな結果を招くこととなる。これから起こる変化はどうしようもない力が働くため、コントロールしようと思わないこと。この変化は誰のせいでもない、と考え対応することが大切。また「時間が解決する」という意味を持つため、悩みや不安、心の傷に関しては無理に抵抗せず、時間の流れに身を任せたほうが癒えるまでの時間は短い。

TRIANGLE展開時における意味

今抱える課題・問題
環境や状況の変化による問題、トラブル。自分ではコントロールしたり、力の及ばない流れに不安をおぼえたり、対応に苦心している様子がうかがえる。ビジネスでは会社組織の改変や上司の変化、営業方針の変更などによる対応を迫られる。恋愛においても予想していなかった変化によって、関係性に急展開が見られる。
また、過去の行いの報いにより不利な状況になること、自分のもとを去っていったものがトラブルの原因となることを暗示する。夫婦関係でこのポジションにワンドⅧが出た場合、DV問題を示すことが多い。正逆の位置で意味は変わらない。

結果
正位置ではトラブルや問題は時間が解決することを教えている。コントロールできない流れや動きの中であまり抵抗せず身を任せていたほうが、結果的に良い方向にたどり着くことを暗示。今とは違う状況・環境にいることを表わし、正位置ではポジティブな状況である。ただし、この結果は流動的なものであり、結果ではない。これに満足し、動きを止めてしまうと、その後の流れについていくことが苦しくなる。
逆位置でも意味は変わらないが、自分の望まない変化や動きに戸惑うことが多くなる。

Two Oracle展開時における意味

恋愛においては、思いがけないチャンスや予想していなかった出会いなどが待ち受けている。このチャンスや出会いには積極的になるほうが良い。恋人を探している場合は、紹介されること、周りに流されることが最終的には良い方向に行きつくことを暗示。焦って悲観的なるよりも、時間をかけるほうがうまくいく。ビジネスにおいても、動きをとめないこと、流行や時勢に乗ってしまったほうが上手くいく。ただし、成功も失敗も一時的なものとなるため、ひと段落した後も動き続けることが重要になってくる。お金に関しては、このカードが出た場合、貯めるよりも遣うことにメリットが多い。
また、このカードは運動神経の良さや自動車や車、飛行機での移動を暗示しており、デートにはスポーツ観戦、移動は乗り物を利用すると◎。
※Two Oracleにおける対処・アドバイスはHEXAGRAM【⑦対処】を参照。

One Oracleでの吉凶判断

【YES or NO】
YES☆☆☆☆
※最高がYES☆5つ、最低はNOで★が5つ

【来る or 来ない】
向かっている途中、移動中

【買う or 買わない】
買うことで作業がスムーズになる、流行する

【今の状態】
スムーズに流れている、変化の途中、動かしている

【どう思われているか】
気分の変わりやすい人、運動神経が良さそう、落ち着きがない、フラフラしていて自由な人、お金遣いが荒い

【適職】
身体を使う仕事、物流関係の仕事、自動車や電車など乗り物関係の仕事、移動の多い仕事。