ワンドⅥ/一時的な勝利、その後の決断

2020年09月03日

概要

ワンドⅥは大アルカナ「戦車」と雰囲気が似た絵柄となっており「勝利と凱旋」を象徴するカードです。伝統的には目標への邁進、目前に迫った勝利を表します。その勝利はもはや揺るぎないものではありますが、その後に予期せぬトラブルや問題、裏切りなどを受け入れる準備も必要です。
ただ「戦車」と異なるのは、このカードが表す勝利が他人との争いにおける勝利ではなく、自分自身や取り巻く環境、ハンディキャップを乗り越えたことを意味していることが多いのが特徴です。
ワンドⅥは同時に「自尊心」を表わすカードでもあります。他人に対する優越感やうぬぼれ、自我肥大などを意味することも多く、逆位置ではこの傾向が強く出ており、自信過剰になっていることを示唆します。過去の栄光に胡坐をかき、成功を自分の力によるものと考える慢心を教えています。

リーディングのポイント

このカードに描かれる勝利はどうやら小規模な戦闘における勝利のようです。長い闘いにおける「一時的な勝利」を暗示しており、その勝利にうぬぼれているといつの間にか形勢逆転をさせられることを教えています。とはいっても、現状では優位な状況に間違いなく、ここから「どのくらい勝つか」「どこで退くか」といった見極めの重要性を示唆しています。
このカードは正位置の場合「この勝利によって優位に進む」ことを表しますが、逆位置の場合は「この勝利を最後に徐々に敗北へと向かう」という意味に変わります。ビジネスや訴訟においては「今の優位な状態のうちに有利な条件を出して、引き際を間違えない」ことが無難です。

HEXAGRAM展開時における意味

①過去・原因
仕事・人間関係において勝ち負けにこだわりすぎ、うまくいかなくなった。他人を見下した態度がトラブルの原因に。プライドが高すぎる、自己評価が高いことも原因の一つとなっている。
逆位置の場合、自惚れや自信過剰が問題の引き金になっている。実際には少しずつ悪化していた状況に本人だけが気付いていなかった可能性。ここで言い訳ばかりすると状況はますます悪くなり、周りの人たちが離れていくことになりかねない。

②願望
優位に立ちたい、このまま順調に進んでいきたい、人から称賛されたいという想いが強い。どこかで得意になっているため、それを誰かに自慢したいという気持ちになっている。賞やコンテストで勝ちたいと考えている。
このカードは逆位置の場合、「敗北」へ向かっていることを表わすことが多く、「負けたくない」という願望がネガティブに暴走しやすくなっている。必要以上に良く見られたい、目立ちたい、という気持ちが表れている。

③相手
相手・周囲は乗りに乗っている状況である。物事は良い方向に進んでいることを疑っていない。しかし、この成功は長くは続かない「張り子の虎」であることは明白。一時的な勝利と考えるべき。
逆位置の場合、物事は悪い方向へ進んでおり、その速度が加速しつつあることを示している。その流れを止めることは難しく、周囲には不満が渦巻いている。相手は劣等感から威張り散らしている。

④現状
物事は順調に行きつつある。ライバルに差をつけている、勝利が近い。嬉しいニュースが舞い込む。評価され、大きな満足感を得る暗示である。だが、これらは一時的な勝利である。
逆位置の場合、これから徐々に形勢が悪くなっていく。実力不足にも関らず、一時的に優位な状況である。

⑤未来
希望は叶い、問題を克服することができるという暗示。ビジネスは順調に運び、自尊心が満足できるような状況が訪れる。人間関係ではライバルに差をつけることが出来る。だが、それは短期的な勝利であり、安定してはいない。
逆位置の場合、徐々に状況は悪くなっていく。裏切られること、誰かに足元をすくわれることがある。未来にこのカードが逆位置で現れる場合、「敗北」を意味することが多い。

⑥結果
出世や昇進といった物事の暗示。上に立って支持を出す立場に回る。恋愛では主導権を握り、思い描いた状況へと進展する。しかし、盤石の体制というわけではなく、どこか危うい立場である。安心していると足元をすくわれる可能もある。
逆位置において、もしも勝負事を占うのであれば、徐々に敗北することの暗示。それを回避するためには今後の行動には熟考が必要となる。引き返せるならば、まだ間に合う。しだいに主導権を奪われ、コントロールされる側に回ることになる。

⑦対処
力強くリードしていく姿が周囲の好感を上げることになる。人よりも優位に立っていることに引け目を感じることなく、遠慮せずに幸運を掴みにいく気構えが大切。ただ、目の前の勝利にばかりこだわるよりも、長期的な計画を大切にするほうが良い。
ただし、逆位置で出た場合、周囲に裏切り者がいることを教えている。おとなしそうな人物ほど危ない。優越感や驕り昂ぶりが失敗の火種になる。どこまで行くか、どこで退くかを考え始めても良い頃である。

TRIANGLE展開時における意味

今抱える課題・問題
物事において優位に立ちたいという気持ちが強く、勝ち負けにこだわりすぎてしまうことが課題。また、問題や原因を長期的に捉えておらず、短期的に行動を起こせば解決する類のものだと考えていることがトラブルのもとになる。
逆位置で出た場合、上記に加え、自惚れや自信過剰に陥っている性格的な問題も付加される。

結果
正位置であれば、今の問題に対して一時的な勝利を得ることが出来る。問題は一旦収束し、争いごとはこちらの優位な状態で膠着する。ビジネスでも第一歩は成功し、その後の見通しが開ける。良いポジション、望む役割を得ることが出来る。
逆位置の場合では、一時的勝利のあと、問題が多くなり、厳しい状況となる。現状がもっとも優位な状況であると判断し、どこで退くかを考えたほうが良い。

Two Oracle展開時における意味

ビジネス・仕事などにおいては、優位な状況。行動を起こせば進展する。ただ、状況が変わりやすく、躊躇しているとチャンスを取り逃がすこともあるため注意。逆位置では、徐々に形勢が逆転されていく。ライバルや競争相手がいる場合、最終的に負けることもあるため、傷が浅いうちに和解や撤退を視野に入れたほうが良い。
恋人を探している人は、自分が相手を引っ張っていける相手、年下などに相性が良い。自らアプローチをしていくことでうまくまとまる。また、にぎやかな場所に相性が良い時期であるため、活気のあるスポットは恋愛・金運ともに上昇する。逆位置の場合では、良い人と数人でいるときは盛り上がれるのに、二人きりになるとうまくいかないというジレンマを暗示している。
※Two Oracleにおける対処・アドバイスはHEXAGRAM【⑦対処】を参照。

One Oracleでの吉凶判断

【YES or NO】
YES☆☆☆☆

【来る or 来ない】
今回は来る。

【買う or 買わない】
見栄のために買うことになる、はじめは嬉しいが徐々に不要となる、

【今の状態】
優位な状況にいる、現在はこちらが優勢。逆位置の場合、今は良いが徐々に不利になる。

【どう思われているか】
自己評価が高く、何事も勝ち負けで物事を考える人。集団を引っ張っていけるが、プライドが高く見栄っ張り。決断力がありバイタリティに溢れる。

【適職】
大きな企業、プロジェクトリーダーや管理職といった人を使うポジション。長期的ではなく、短期的な営業で結果を上げることできるビジネス。アットホームよりもビジネスライクな職場環境の方が向いている。