ワンドⅣ/祝祭と休息、あるいは気の緩み

2020年04月06日

概要

ワンドの4は祝祭を盛り上げる劇を演じる人々を描いた喜びに満ちたカードです。あらゆる祝祭や祝賀を意味し、結婚式・記念日・誕生日・祝勝パーティーなど心躍るような経験や出来事を暗示しています。受け取るべき報酬、立派に成し遂げられた仕事、称えられるべき勝利への喜びが近いことを教えていて、これまでの緊張から解放され一息つける段階まで来ていることを示唆しています。
同時に、自分が一員である場所への帰還・帰郷を告げているとされるカードです。日々のストレスや重圧から離れる時間をつくることの重要性、そして仕事を中断し休息すべき時であることを教えるカードでもあります。里帰りや自宅での充電といった意味はもちろん、緊張を解き、現実逃避に走ることも暗示していて、それは責任や義務からの積極的な解放を示していることもあるようです。このカードは正逆における意味の変化があまり見られないのも特徴です。

リーディングのポイント

このカードは大きく2つの意味を持っています。ひとつはあるべき場所に帰還し、そこで休息し緊張やストレスからの解放を促すこと、もうひとつは自分や他人を含めた祝い事の象徴であるということ、この2つです。状況を見る場合、休息の必要性と問題から解放されることを暗示し、関係性を見る場合は結婚などへの発展と見ることができます。
ただ、このカード全体を覆うのは「安堵感と気の緩み」であることが多いことに注意しましょう。多忙や悩みからようやく一息つける場所へ到達したことは良いのですが、そこで腰を落ち着けてしまうと、そこから再び立ち上がることが難しくなることを示唆しています。あくまでも一時的な休息であり、充電期間であるため、ここで満足してしまうと先へ進めないことを象徴することが多いカードです。

HEXAGRAM展開時における意味

①過去・原因
辛いことから目を背け、責任や義務から現実逃避をしていることが原因である。また、過去に上手くいったことが気の緩みや油断に繋がっていることに注意。恋愛や仕事、人間関係においても緊張感に欠け、どこかルーズになっていることが問題の原因であることを教えている。

②願望
解放されたい、今の状況から逃げだしたい、一息つきたいという想いが強い。また元の場所へ帰りたいという願いを表している。記念日、祝典を意味することから恋愛における結婚や婚約への願望も表している。

③相手
どこかルーズで気の緩んだ関係性となっている。恋愛であれば甘えやけじめのなさが見え隠れしている。相手や周囲は良くも悪くもおおらかで現状に甘んじている様子。また、環境や状況において「一息入れたい、解放されたい」という気持ちが見えるため、情熱や競争心などは感じられない。

④現状
事態は次第にひと段落つくはず。徐々に今の問題やトラブルから心身ともに解放される兆し。恋愛では燃えるような情熱はないが、どこか和やかで落ち着いた関係は継続できる。また、帰省する、実家に戻る、同窓会や友人の結婚式への参加などを暗示している。

⑤未来
この問題は未来においてひと段落しており、精神的にゆとりのある状態を楽しんでいる暗示。問題や悩みから肩の荷が下りており、引退や勇退などを暗示。ただし、これらはポジティブな決断となる。 帰省、里帰りを意味するため、夫婦間のトラブルの場合、一度実家に戻ることを勧めるカードである。しかし、まだ余裕のある状態であり、望めば充電して元の鞘に収まる。

⑥結果
この問題やトラブルは徐々に解決され、ひと段落するはず。この問題からは解放され、ストレスや重圧から離れることができる。恋愛では関係性は穏やかに維持される。係争中であれば、重苦しい状況から解放される。
このカードは「祝祭」を意味し、これは「自分自身を祝う」ことも意味する。望んでいた成果かどうかは別に、状況は終わりを告げ、プレッシャーから解放される。長く苦しかった受験が終わり、とりあえず一息ついている、といった状況が近い。
このカードはある意味では「ゴール」を表す。「世界」ほど完全性はないが、ここで満足してしまうと、先はない。

⑦対処
このカードはリフレッシュや休息が必要であると教えている。長期の休暇や帰省などをすることでこの問題に対して区切りをつけることができる。逆に言えば、一度休息をとらないと、この問題のプレッシャーやストレスは回復しない。また、何かの争いの最中であれば、一時休戦することが好ましい。
出会いを求める場合は、祝典行事や会合、パーティーへの積極的参加を暗示するカードでもある。

TRIANGLE展開時における意味

今抱える課題・問題
緊張感がなく、気が緩んでしまっている。やらなければならないことから目を背け、現実逃避に走っている。恋愛や人間関係など、どこか甘えが見え、ルーズな空気が漂っている。その解放感がネガティブに働くと、成長がみられない。 また、訳ありの帰省や一時的な避難、充電期間といった意味も含まれる。

結果
今抱えている問題や悩みからは徐々に解放される。問題自体が消滅したり、解決されるわけではないが、本人の重圧に苦しめられたり、ストレスを感じる度合いは次第に小さくなっていくはず。結果の良い悪いはともかく、苦しい状況は終わりを告げ、プレッシャーから解放される。一息つけるところまでもう少しである。

Two Oracle展開時における意味

恋愛において、変わらないように見える関係も少しずつ進展する。ただ関係は急に発展はしないからといって油断してはいけない。気の緩みやルーズさにより、関係に綻びが生まれライバルに相手を取られてしまうことには注意。どこか恋愛そのものに気負いすぎているため、まずは肩の力を抜くことを教えている。
恋人探しは結婚式やパーティーで知り合うことを暗示。また、帰省先や同窓会などにもチャンスがある。ただ、出会う人は経済的な基盤を持たず、不安定職業であることがある。
ビジネス・事業では目に見えた成果がなくとも地道に行うことで、安定した結果が生まれていく。ただし楽な方へ流されると思わぬ落とし穴に嵌る暗示でもある。式典やパーティーへの参加が幸運を呼ぶことになる。帰省、帰郷、実家に戻ることがプラスに働くカードでもある。
仕事や職場における問題はひと段落し、肩の荷が下りるはず。長い休暇や充電期間をとるなら絶好のタイミングである。
※Two Oracleにおける対処・アドバイスはHEXAGRAM【⑦対処】を参照。

One Oracleでの吉凶判断

【YES or NO】
YES☆☆☆
※最高がYES☆5つ、最低はNOで★が5つ

【来る or 来ない】
時間通りに来ない、すでに家に帰っている

【買う or 買わない】
買っておけば気持ちが楽になる

【今の状態】
休んでいる、気が抜けている、油断している

【どう思われているか】
おおらかだがルーズな人。一緒にいると気が楽だが、刺激や成長といってものを感じない。自分にも他人にも甘いと思われている。気を遣わなくて済む友人どまり。

【適職】
数秘術においては「4」という数字は安定を意味し、伝統的に住宅・建築業に適正があるとされる。また、ブライダルや祝典、冠婚葬祭を執り行う職業に向いている。