ワンドⅢ/庇護者が得る利益

2020年03月18日

概要

このカードにおける男は商人であり、広い海に漕ぎ出そうとする船の援助者です。そして出向していく船はこの商人の財産を増やして戻ってくることを期待されています。そのためこのカードは事業を象徴し、好機を最大限活用することでの成功を意味しています。絵柄はワンドⅡと良く似ていますが、Ⅱの男性が愁いを帯びているのに対し、Ⅲの男性は遠くを見つめた姿で描かれ、希望やポジティブな状態を表しています。伝統的には、新しい事業や開拓、投資や援助者の出現を表し、大きな利益を生むための道程を暗示しています。
しかし、逆位置で考えたとき、このカードは目上の存在からの監視や上手くやらなければならないというプレッシャーを表すことが多くなります。束縛の強いパートナーや家族、パワハラや同調圧力といった上下関係の問題を教えてくれるカードとなります。

リーディングのポイント

このカードは正逆で視点が変わるカード(法王やソードⅤなど)のひとつです。正位置では男が海を行く船を見守り、逆位置ではその男に見守られ船は遠くへ漕ぎ出します。それは「親と子」の立場であり、「上司と部下」「監督と選手」の関係性でもあります。男の視点に立てば、誰かに手を差し伸べることが自分の利益に繋がり、船の立場であれば、誰かの庇護下に入ることで目的を果たすことができます。また、正位置では妊娠・出産の暗示、逆位置では遠い旅―出張や単身赴任を伴う転勤―などを象徴することもポイントです。 このカードは投資や株などの経済活動においては非常に良いカードです。特に正位置では、送り出したものが大きくなって還ってくることを意味するため、現在・未来・結果の配置では何かに投資・援助するには絶好の時期であることを教えています。

HEXAGRAM展開時における意味

①過去・原因
正位置で出た場合、このカードは保護者の立場に立つ。つまり、問題に対して必要以上に首を突っ込んでいる状態なのかもしれない。良かれと思ってしていることが、実際は相手の望んでいないことである可能性が高い。また「行ってしまったもの」への後悔や未練が問題となる。
逆位置の場合、パートナーや親・家族など「手助けをしてくれるはずの人」と価値観があっていないことが原因。恋愛などでは「捨ててしまったもの」への後悔や未練がつきまとう。

②願望
誰かの力になりたいという想いが強い。援助するという全般的な物事に対しての意識が高まり、良くも悪くも人や環境、状況を管理下に置きたいという願望を表す。女性であれば妊娠や出産を望む気持ちが強くなっている。
逆位置では「助けてほしい」「援助してほしい」という願望を表す。抱えている荷物を降ろしてすぐに楽になりたい、と考える気持ちが強い。誰かに見ていてもらわないと物事を先へと進められない心境。

③相手
正位置であれば、相手はこの問題を「上の立場」から見ており、この問題をコントロールし見守る立場であると感じている。保護者のような、援助者のような視点であり、あなたにプレッシャーを与える人・環境であることを教えている。逆位置では、反対にあなたからの反応を期待している状態である。プレッシャーを感じており、あなたの顔色を窺っている。

④現状
正位置の場合、手を離れたものは順調に大きく育っている。今、助けてあげられるものには手を差し伸べるべきである。ただし、よく監視しておかないと、その手には戻ってこない可能性がある。
逆位置では、きちんとSOSを求めるべき時である。今、目上の人に助けを求めるならば力になってくれる暗示。仕事においては管理がきつく、プレッシャーが増大する時期である。旅行や遠くへの出張、転勤を暗示する配置でもある。

⑤未来
未来においてはこの問題の全容を把握できていることを暗示する。恋愛や人間関係においても、相手の気持ちが分かっており、自分がそれにどう応えるかを考えている状況。ビジネス・事業においてもこちらが有利に立っており、状況をコントロールできる状況になることを示唆する。投資には非常に良い時期。
逆位置では反対に、相手に主導権を握られ、その反応や答えを待っている状況になることを示す。管理され、プレッシャーをかけられるストレスの強い環境になることを教えている。

⑥結果
正位置では、その問題に積極的に関わることで主導権を握れる。恋愛では相手の手助けを行うことで距離を縮めることができる。共同作業、チームワークを発揮する物事は◎。あなたが重要なポジションを占めることができる。女性は妊娠・出産の兆候を暗示。ビジネスでは投資したものが大きくなって戻ってくることを表すため、先に進めたほうが良い。
逆位置では、問題解決にあたっての援助を受けることは可能だが、その援助者に管理され、プレッシャーをかけられやすい。恋愛では良くも悪くも主導権は向こう側にあり、その庇護下にいることを示唆。仕事では出張や単身赴任を伴う転勤など旅立ちを暗示している。

⑦対処
正位置の場合、問題から目を背けずに、きちんと全容を知ろうと努めるべき。過ぎてしまったもの、離れていったものにはこだわらず、今手元にあるものをきちんと把握するべき。また、人を助けてあげることで、その人を真に理解することができることを教えている。
逆位置では、しかるべき人・場所にサポートや援助を受けることができれば、もっと遠くまで進んでいけることをカードは教えている。責任は伴うが、誰かの後ろ盾を得ることで問題は改善に向かう。

TRIANGLE展開時における意味

今抱える課題・問題
正位置では、子育てや部下、自らが保護・庇護しなければならない人間に対する問題を抱えている。恋愛ではパートナーへの頼りなさ、一向に進展しない状況への不満などが感じられる。妊娠や主産に関する問題。
逆位置では、親や上司、会社や制度などに対する問題を抱えている。相手の言動やモラハラなど威圧的な行動に悩んでいることも。こういった状況にも関わらず、助けてほしいと言えないことも問題となっている。

結果
正位置であれば、問題にはあなたの手助けが必要である。あなたが積極的に関わることで、問題はクリアになる可能性。恋愛においても、相手へのサポートが距離を縮めることになる。あなたがきちんと把握して管理することで、利益は大きくなって還ってくる。
逆位置では、きちんとSOSを出せる人・場所を見つけること。見つかった場合は、きちんと助けを求めることで問題が解決に向かう。

Two Oracle展開時における意味

正位置では、相手に積極的に関わり、その助けになってあげようとするところから関係が深まる糸口がある。恋愛や人間関係においては主導権をあなたが握ることで関係は発展する。ただ、このカードは成果が出るまでに時間がかかるカード。すぐに結果を求めても、相手からの反応は薄いことに注意。
逆位置では、あなたから関係を進展させることができない状況であり、相手に主導権が握られている。焦れば焦るほど距離が離れる傾向にあり、逆位置では特に「連絡が取れない、または途絶えがちになる」という状況を暗示する。ただし、相手のペースでいるのであれば関係は上手くいく。
恋人探しは正位置では年下、逆位置では年上が良い。また「小さいものが大きくなって還ってくる」というこのカードの意味において、最初はあまりピンとこなかった相手ほど、大きな存在になりやすい。直感で決めるのではなく、ある程度長い時間をかけて人柄を見極めようとする姿勢が大きな利益を生む。 ビジネス・事業では投資すると大きく利益を生むことを暗示しており、お金をかけることで利益に繋がる。ただし、時間がかかるため、すぐに結果を出さなければならないことには向いていない。仕事における評価もすぐには出ない。ただ、時間をかければ予想以上の成果が手に入るため、大きく構えて待つことが大切になる。「将来の自分」へ投資に使えば、大きな力となるはず
※Two Oracleにおける対処・アドバイスはHEXAGRAM【⑦対処】を参照。

One Oracleでの吉凶判断

【YES or NO】
YES☆☆
※最高がYES☆5つ、最低はNOで★が5つ

【来る or 来ない】
連絡が来る。しかし、当分の間は帰って(戻って)こない。

【買う or 買わない】
買っておくとあとで助かる。将来価値が高まる。

【今の状態】
正位置では誰かの面倒を見ている。人を待っている。逆位置では留守にしている、出掛けている。仕事などが忙しい。

【どう思われているか】
正位置では包容力があり、引っ張ってくれそうな人。頼りになる人。ただ、相手はプレッシャーや威圧感を感じている。逆位置で出た場合は、放っておけない人、どこか頼りない。よく見ていないとフラフラとどこかへ行ってしまいそう。守ってあげたい人。

【適職】
教師や講師、誰かのサポートや面倒を見てあげる仕事に適している。また、警備やセキュリティ関連の仕事が◎。逆位置は輸送や配送関係、海運や貿易関係に適正があり、旅行や移動に関する仕事も良い。