ワンドA/湧き上がる衝動的な欲求 

2020年02月28日

概要

このカードは「何かをしようとするエネルギー」の象徴です。湧き上がるエネルギーをどう使うのか、どこへ向かう原動力とするのかを考えるよう私たちに呼びかけているカードといえるでしょう。伝統的には「何かをつくりあげる」「創造する」ことを暗示していますが、具体的な計画を遂行する意味合いよりも、何かをやりたくて仕方がないという衝動的なエネルギーを表していることが多いようです。野心や欲の源であり、多すぎると空回りしやすく暴走しやすい状態を表しています。「愚者」の人格、その内面を形にしたものといえば理解しやすいかもしれません。
 ワンドのエースは他のエースに比べても「スタート」の意味合いが非常に強いカードです。新しいことが始まる予感に満ちていて、仕事や恋、趣味など自分の興味や関心のある事柄に取り組もうという姿勢を表しています。これが逆位置になると、この姿勢が空回りし、見当違いな方向への努力といった問題を含んでしまいます。また「バトンが回ってくる」という状況を象徴するため、正位置では望んでいた役割やポジションの獲得、逆位置では相続・家督問題などを示唆していることが多いようです。

リーディングのポイント

ワンドのエースは活動・行動を示し、「目的ははっきりしないが何かをやりたい」という欲求を表しています。マンネリの打破、退屈への恐れを「何か」で破壊したいという力に溢れていることが読み取れるカードです。しかし、具体性はなく「やってから考える」「活動していくうちにゴールが見えてくるだろう」という状況を期待している状態をも示唆することから、大アルカナ「愚者」の無軌道さに共通する部分もありますが、ワンドのエースはもっと衝動的で物質的な欲求が出発点にあります。活動の結果を目的とするのではなく、活動そのものが目的となるカードだといえるでしょう。

HEXAGRAM展開時における意味

①過去・原因
あれこれと欲張りすぎて、具体的に何をやりたいのかが形になっていない。また、タイミングを失っているにも関わらず、強引に物事を推し進めようとしている。過去の相続・家督問題、また責任を回されたり、やりたくない役割を押し付けられたりしている可能性も。仕事であれば、一人で突っ走り、空回りしていることが問題になっている。恋愛であれば、感情の温度差が激しく欲求不満気味である。

②願望
キャリアアップしたい、新しい仕事に就きたい、新規事業に乗り出したいなど、挑戦に燃えている。出会いや関係の進展を望み、一歩踏み出そうとしている気持ちを表している。
しかし、逆位置ではこのやる気が強引なものへと変わり、自己中心的なアプローチや独占欲、無理だとわかっていても推し進める、といった気持ちを表している。

③相手
相手は非常に意気込んでいる状態。具体性はないが「何かうまくいきそうだ」と前向きになっている。そのため、積極的に関わろうとしており、あれもこれもと想像している。
逆位置の場合、この意気込みが空回りや暴走を生み、勘違いや見当違いを引き起こす可能性。相手の性格・性質は、エネルギッシュであるが、大雑把でとにかくやってから考えるタイプである。目標はあるが、計画性には欠ける。合理的ではなく、体育会系な職場や組織の暗示。

④現状
進展しつつある。ただし、細かい点には不備がある。エネルギーが充実してくる時期であり、新しいチャレンジには良い時期である。
逆位置では強引に物事が進みつつあることを暗示。誤った方向に進みつつある可能性を示唆している。スタートは切れるが、見当違いな方向や遠回りしがちなことに熱を上げている可能性がある。

⑤未来
新しい転機を迎えることができる。就職や入学、新しい環境への変化に心躍らせている。転職やキャリアアップ、新しい事業やプロジェクトの始動を暗示している。恋愛においては、新しい出会い、恋愛の始まりを告げるカード。今の恋愛は、良くも悪くもその関係性が一歩先に進む。
逆位置では、責任や望まない役割を押し付けられる、といった問題を含む。相続問題の出現や遺産問題などのバトンが回ってくる。

⑥結果
新しく始めることは上手くいく。抱えている問題は今よりも一歩だけ先に進み、新しい展開を見せる。恋愛においても新しい出会いを暗示しており、今の付き合いも一歩先に進むことになる。結婚や付き合いに前向きになっていく。
逆位置で出た場合、新しい一歩は踏み出すことはできるが、細かい部分が煮詰まっておらず、不安定である。強引さで突っ走ることで、何とか一歩目を踏み出し、現状に変化を起こすことができる。ただ、この勢いは維持できないため、しっかりとした計画を練る必要がある。

⑦対処
今は完璧な計画や細かな点を無視して、とにかく行動したほうが良い。情熱さや強引さによって、この問題は突破できる。他人の気持ちや思惑に対して深読みせずに、とにかく一歩足を前に出すことで、事態は好転する。不安ならば、考えるよりも何でもよいので体を動かすべき。

TRIANGLE展開時における意味

今抱える課題・問題
現状を打破したい、このままで終わりたくないという気持ち。具体的な計画はないが、何かに挑戦したい。相続に関する問題、受け渡される事柄についての問題に直面する暗示。逆位置の場合、準備不足のまま、何かを実行に移そうとしている可能性。自信過剰となっており、注ぐべきエネルギーが見当違いなところであることを示唆している。

結果
新しく行うことは◎。入学や就職など新しい環境に喜びと充実が待っている。恋愛においても交際に発展する新しい出会いがある。交際中であれば、次の段階に進んだほうが良い時期。逆位置であっても新しく始めることは上手くいくが、本来目指すべき方向がぶれがちで遠回りしやすい時期でもあるため注意。

Two Oracle展開時における意味

正位置であれば、新しい出会いの予兆を表し、交際中であれば、結婚や同棲など新しいステップへ進むべきタイミングであることを示唆している。細かいこと、小さなことに気を取られている時期ではない。「やってみてから考える」ことで、現状は打破できる。
逆位置では、相手への気持ちや熱意ばかりが先行している状態。問題に対して行動や思考が空回りしており、感情が抑えられていない。このまま強引に結果を求めると失敗する。欲求不満気味のため、誘惑や刺激に弱い状態である。
また、人間関係においてはマウントの取り合いや権力闘争の暗示である。相続・家督問題や責任の押し付け合いなどに注意が必要である。
仕事においては先のことや細かいことは考えず、単純に行動することで問題は解決する反対にマンネリや退屈を感じている状態では、さらに不完全燃焼が続く。
逆位置の場合、ひとりで突っ走ると周囲との軋轢が生じる可能性が高い。勢い任せのため、単純なミスや見落としから重大な問題を抱え込みやすいため注意するべき。
また「何かをしたい」という思いつきのため出費が増える暗示。また見栄のためにお金やエネルギーを使うことが増える時期でもある。ただし、無理な貯蓄をしすぎると、どこかでストレスが爆発して一気にお金を使ってしまうことがある。適度なガス抜きが必要。
※ Two Oracleにおける対処・アドバイスはHEXAGRAM【⑦対処】を参照のこと。

One Oracleでの吉凶判断

【YES or NO】
YES☆☆☆☆☆
※最高がYES☆5つ、最低はNOで★が5つ

【来る or 来ない】
相手は今出るところである

【買う or 買わない】
買えば大いに活用する。勢いで買って成功する。

【今の状態】
やる気に満ちている。勢いがある。

【どう思われているか】
行動力や熱意はありそうだが、細やかな配慮に欠ける人。我の強そうな人。

【適職】
新規ビジネスやベンチャービジネスに適している。スポーツ関連や身体を使った仕事に適正がある。転職や独立起業など新しい環境の変化に飛び込むことは◎。