ワンドⅨ/ラストマン・スタンディング

2021年03月12日

概要

このカードは伝統的な解釈において、起こりえる事態への準備を整え、防御を固めることを進言するカードです。攻撃を予想し、ダメージに耐える心構えと覚悟の有無が、その後の結果に差を生むことを告げています。前述のワンド8のような避けようのない変化や事態、問題に対して、しっかりとした準備こそが生き残るための対抗措置であることを告げています。
逆を言えば、このカードは攻撃される、傷つけられる可能性が高いことを暗に教えてくれています。何事にも耐えて立ち続けること…絵に描かれた男が身を支える棒は忍耐力や精神力を表わしています。これを手離さない限り、いくら傷ついても彼が倒れることはありません。

リーディングのポイント

リーディングにおいては、来るべき何かに対して傷つきながらも諦めずに抵抗することを象徴するカードです。このカードが出る場合、問題や関係性に大きな動きは少なく、膠着した状態に陥ることが予想されます。正位置であれば、この膠着状態をいかにして耐えるかを考えたほうが良いでしょう。今は攻めるとき、動くときではなく、傷つきながらも倒れないことが問題解決にとって最適な姿勢であると解釈できます。逆位置ではこの膠着状態への心理的抵抗感が強く、ストレスによる心身の不調などに気を付けるべきことを教えています。
また、人物としてこのカードが象徴するのは、警戒心が強く世間体や執着心が強い状態です。何かに束縛され自由がない、義務や責任により身動きが取れない、などを暗示。あなた自身、または相手は心を開いておらず、周囲から頑なな人物に見えていることを示唆しています。

HEXAGRAM展開時における意味

①過去・原因
正位置・逆位置ともに、この問題の原因は心理的な抵抗感の強さが問題となっている。それは世間体や執着心、生理的嫌悪感や感情的な好き嫌いかもしれないが、このストレスに追い詰められ、それでも抗おうとしていることを示唆している。
また、過去において仕事や恋愛、人間関係などにより心身がボロボロとなったが、精神力で持ちこたえた経験があることも告げている。怪我や病気、体調不良の暗示。

②願望
正位置・逆位置に関わらず、この問題に対して、追い込まれた状況にも関らず、きちんと責任を果たしたい、最後まで責務を果たしたいという願望を暗示。頑なな信念やプライドが身を支えており、心身の異常や体調不良を感じながらも、気持ちだけでそれを支えている不安定な状態であることが分かる。

③相手
正位置であれば、この問題に対して、相手は守りに入っていることが分かる。頑なで身構えており、進展の様子は見られない。相手は傷つきたくない、という気持ちから現状維持を望んでいることが窺える。
逆位置の場合、この問題に対して、相手は正位置よりもさらに警戒を強め、本音を見せていない様子。質問者は敵であると思われている可能性すらあるだろう。相手は心理的に落ちつめられ、抵抗感を強めている。恋愛であれば、今はアプローチをするべき時ではない。
どちらの位置においても世間体や執着心が強く、警戒心の強い相手・環境であることが示される。

④現状
正位置の場合、この問題は現在のところ膠着状態であり、行動を起こすよりも様子をうかがっているほうが良い時期であることを暗示する。間もなく来る事態に備え、準備と覚悟を持って臨むことを教えている。逆位置の場合、正位置以上に一方的に不利な状況が続くため、心身ともにケアが必要になる。

⑤未来
正位置の場合、少なからずダメージを負うことにはなるが、将来的に質問者は問題を乗り切り、失いたくないものはきちんと守り切ることができると告げている。
逆位置の場合、質問者が受けるダメージは大きく、心身ともに消耗することが予想される。しかし、最後の最後まで倒れずに踏みとどまることができるはずだ。          

⑥結果
正位置の場合、この問題は結果的に膠着状態が続く。今は行動するよりも耐えるべきときであり、その準備を怠らなければ、最後は質問者が有利な状況で乗り切ることが出来る。ただし、少なからずダメージを負うことは覚悟しなければならない。
逆位置も正位置と同様であるが、相当のストレスに耐えなければならないだろう。そのため、心身の不調から病気や怪我などに気をつける必要がある。

⑦対処
「最後に立っている者こそが勝者である」という言葉を象徴するカードであり、最後まで耐え抵抗することができるならば、自分自身が有利な状況となることを教えている。正位置と逆位置では、その忍耐力を要する度合いの違いと考えてよい。逆位置で出た場合、最後まで立ち続けることは辛く、その傷も深くなりやすい。

TRIANGLE展開時における意味

今抱える課題・問題
心理的に受け入れられないものに耐えていることが窺える。それは愛情や信頼、世間体や評判といったものから、現在の環境や人間関係、家庭や職場などからへの嫌悪感、病気や怪我などの現実的な痛みまで様々である。そのストレスから逃れられない息苦しさや閉塞感を暗示している。また、相手を見るならば、こちらを警戒していることが窺え、恋愛や人間関係においては信用されておらず、身構えていることを暗示している。

結果
この問題は膠着状態に陥ることを暗示している。事態を変えるような動きが取れず、強いストレスと閉塞感を抱えることになる。ただ、それは「今は動くときではなく耐えるしかない時期だ」という表れであり、衝動に任せて動くほどにダメージが大きくなることを示している。また、相手を見る場合、その人物は警戒するに値する自分であり、決して心を易々と開いてはいけない相手である。

※TRIANGLEにおける対処・アドバイスはHEXAGRAM【⑦対処】を参照のこと。

Two Oracle展開時における意味

正位置、逆位置ともに来るべき問題・トラブルに対して、動かずに耐える時期であることを表わすカード。恋愛であれば、相手はまだ心を開いておらず、時間がかかる。また、相手側に譲れない条件やこだわりがある場合も多い。
このカードは守ることのメリットデメリットを示唆しており、人間関係や仕事に束縛され身動きが取れない、介護などで自由がないなどを暗示する。それに固執する理由が何なのかを考えることで、自分・相手の状況がクリアになっていく。また、怪我や病気、生活習慣からの体調不良、依存からの精神的不調も暗示している。

※Two Oracleにおける対処・アドバイスはHEXAGRAM【⑦対処】を参照のこと。

One Oracleでの吉凶判断

【YES or NO】
YES☆☆☆
※最高がYES☆5つ、最低はNOで★が5つ

【来る or 来ない】
まだ動けていない、準備をしている

【買う or 買わない】
今後の備えになる

【今の状態】
耐えている、ストレスを感じている、警戒している

【どう思われているか】
粘り強く、忍耐力のある人。警戒心が強く、緊張していて心を開いていない。頑なでこだわりが強いタイプ。双方において心理的に受け入れがたい、またストレスを感じながら付き合いをしている。世間体を気にする、執着心や捉われが強い人。

【適職】
セキュリティや警備の仕事、警察官や消防、自衛隊など治安維持の仕事に適性がある。農業や林業、畜産など忍耐力・精神力の必要な仕事にも向いている。