アクアマリン/王侯貴族に愛された「夜の女王」

2020年04月02日

中世から愛される3月の誕生石

3月の誕生石として知られるアクアマリンは、緑の宝石と言われるエメラルドと同じ「ベリル」の仲間です。和名を藍柱石(らんちゅうせき)または藍石(らんぎょく)と言います。アクアマリンという名は、ラテン語で水を意味する「アクア」、海を意味する「マリン」に由来しています。微量な元素の混入により色が変化しており、水色のものはアクアマリン、濃い緑色のものをエメラルドと呼んでいます。中世の王宮、貴族社会において非常に愛された石としても有名で、オーストリア公女であり女帝マリアテレジアの娘であるフランス王妃マリー・アントワネットが、ダイヤモンドと同じくらい愛した石であることでも知られています。石の硬度も高く破損しにくいため宝石としても価値が高く、数百年経った現代でも人気の高い石のひとつです。

社交場を飾る「夜の女王」

アクアマリンは数多くの伝説や逸話に彩られた宝石です。ギリシア神話では「海の精の宝物が浜へと打ち上げられ宝石になった」と記されていたり、「海に投げ入れると瞬時に溶け込んでしまう」という迷信も数多く残されています。ヨーロッパでは古くから船乗りたちに航海の無事を約束してくれるお守りとして、現代では海外や遠方への旅行のお守りとしても大切にされています。また、月の光や夜のぼんやりとした灯りの下で美しく輝く特性から「夜の女王」「人魚石」などと呼ばれ、中世から近世の社交界では夜会用の宝石として貴婦人たちはこぞってアクアマリンを身に着けたと言われています。アクアマリンを持つ女性は終生愛する夫と、愛を深められると信じられてきました。その美しさから、結婚に関する言い伝えも各地で存在しています。アクアマリンを身に着けると末永く婚姻生活が送れるというジンクスもあり、婚約指輪にリクエストする女性も増えています。

魅力を増幅し、幸せを引き寄せる

中世ヨーロッパでは「夜の女王」と呼ばれ、夜会やパーティーで身につけると自分自身の魅力を増幅してくれる力があると言われていました。現代でもセールスマンや人前で話す予定のある人、面接や初デートなどで相手の印象を良くしたいときに身に着けると効果的です。アクアマリンは別名「天使の石」と呼ばれ、若さと喜びを象徴するとされています。そのため昔から「幸せな結婚」の守護石とされ、子宝に恵まれる石としても人気が高く、結婚を控えている女性への贈りものとして喜ばれてきました。また、人と人を調和させる波長が強く、仲違いしている夫婦や恋人の復縁に強く効果を発揮します。神経を休めるために使われるヒーリングストーンでもあり、目の疲れや視力の改善、リンパ関係の疾病などにも用いられると効果があるとされています。

ブラジル・アフリカの2大「サンタマリア」

ブラジル、ロシア、ナイジェリア、マダガスカル、パキスタン、インドなどで産出されます。なかでも最上級とされるのが、ブラジルで産出される通称「サンタマリア・アクアマリン」、そしてアフリカ・モザンビークの「サンタマリア・アフリカーナ」です。

どの石とも合わせやすい

アクアマリンは、概ねどんな石に対しても馴染むことができます。石自体が周囲と調和しようとする性質があるからです。ただし、攻撃性の強い石や協調性を無視した個性的な石とは長所が相殺され効果が上がりません。ローズクォーツとの組み合わせは「夫婦和合」を望む方に最適です。また、同じベリルクループに属するモルガナイトとは非常に相性が良く、心臓の病に効くと古来より重宝されてきました。

おすすめしたい人

・幸せな結婚生活のお守り
・恋人や夫婦の復縁に効果
・船旅や海外旅行のお守りに
・社交性と会話力の向上
・セールスマンや水商売の人におすすめ
・人からの印象を良くしたいときに
・パーティーや夜の催しに最適

DATA

英名:aquamarine
和名:藍柱石(らんちゅうせき)・藍玉(らんぎょく)
色:明青色・青色・青緑色
硬度:7.5~8